中標津への旅


◼はじめての中標津


2018年7月3日、東京は早々に真夏が訪れたような猛暑続きの日々の中、夏の北海道中標津へ向けて羽田空港を出発しました。



地球が丸くみえる展望台「開陽台」や、道が一直線に続く「ミルクロード」でも有名な、人口2万3千人、最高気温30.6℃、最低気温マイナス22.4℃、平均気温5.7℃という猛暑続きの首都圏で暮らす私達にとって本当に羨ましくて魅力的な中標津町。


今回の旅の目的は、獣害駆除されるエゾシカの革を有効活用しようというプロジェクトのキックオフミィーティングで、獣皮活用促進を支援する「MATAGI プロジェクト」の皆さまに同行させていただいた視察ツアーでした。東京から直行便で約1時間半、道東の街中標津へ着きました。まずは中標津町役場へ伺い、西村町長へのご挨拶から視察ツアーが始まりました。


MATAGIプロジェクト

http://matagi-pj.ecocen.jp/







◼獣害被害の現状


近年、日本列島で増え続けるシカやイノシシ、国内の農作物の猛獣被害は年間200億円、そのうちの半分がシカとイノシシであることをご存知でしょうか。


中標津役場の吉田さんより、中標津のエゾジカの有害駆除実績のお話を伺いました。有害駆除期間中(GW明けから9月いっぱい)の駆除頭数は年間平均600-700頭、しかしながら平成29年度は受入れ施設や受入制度の変更、ハンターの諸事情により530頭に減少している。29年度の有害駆除期間中のエゾジカの活用状況は83%がペットフード、10%が食肉用、7%が活用不可で捨てられているそうです。



◼エゾジカの有効活用


中標津で猟師をされている佐々木さんがライフルで駆除しているエゾジカは、株式会社IN-U代表菅さんのもとでペットフードに加工され有効活用されていますが、活用できる肉は約3割で約6割は廃棄処分されているそうです。


株式会社IN-Uさん

https://in-u.jimdo.com/%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%A6%82%E8%A6%81/


猛獣駆除とはいえ、エゾジカの命を頂くのですから、命のすべてを残すことなく大切に活用したいという佐々木さんと菅さんの優しい想いが伝わってきました。




◼皮から革へ


ここ中標津のエゾジカは、高低差の激しい野山をかけまわる他の地域のシカに比べ、北海道遺産でもあり中標津特有の「根釧台地の格子状防風林」に沿って移動するため、体にキズも少なくとても状態の良い革に加工できると伺いました。


廃棄処分される皮を鞣して革にし、駆除してくださる猟師さん達、そして自然の恵みを与えてくれるこの地球への感謝の気持ちを込めて、有効活用できたらどんなに素敵だろうなという想いが込み上げてきました。



中標津エゾシカの革で作ったピアス

      (AZbonheur produce by rennsa)


こちらは、時期がくると自然に落ちる鹿の角

ディスプレイに使わせていただきます。





◼私達にできること


武田牧場を営む武田さんから、エゾジカによる食害(ジャガイモ)やシカによる交通事故の現状をお話を聞いた時に、広い北海道でも人間と生き物は上手く共存できていない現実を知りました。


モノが溢れて飽和状態になり、大量の廃棄物を処分して生きている私達日本人に、今、出来ることは何か?同じ地球で共存するすべての生き物同士、節度ある行動や暮らしをすることがこれからの未来へ向けて、最も大切なことなのではないだろうかと、美味しい北海道の恵みを目の前に、心からの「いただきます」を言いながら考えました。


この視察ツアーを主催されたMATAGIプロジェクトについて、日経繊研新聞(2018年8月7日号)の一面に掲載されました。





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